パッシングの原則 その2

1)相手になれば見えてくる、パッシングオフェンスの「怖さ」と「怖くなさ」。

皮肉なことに、相手から見た方が「本当の姿」がよくわかる。例えば、自分よりも「自分」のことをよくわかっているのは、奥さんや彼女や家族、仲間だ。そこで今回はパッシングオフェンスを、一度簡単に相手(ディフェンス)の立場から見てみよう。そうすることで、パスで崩されることの「怖さ」と、そうでもない部分(怖くない部分)が見えてくるかも・・・。

2)「オフェンスありき」になる危険性。

あなたはディフェンダーだ。相手はパッシングオフェンスをしかけるチーム。さて、どういうプレーをしてくるのか、、、。

さっそく相手はパスをまわしてきた。ボールと人が動き、自分のマークマンもボールをつなぎに動く。ボールを持った。・・・あれ、こいつ、まわりしか見ていない。あ、パスした。(次の瞬間)思いっきりパスラン!?危なっ!!振り切られるところだったぁ〜。あ、またボールをつないだぞ。・・・ん、また味方だけ見ている。こいつシュートを考えてないのか・・・?

相手ディフェンスにとって一番怖いのは「得点されること」である。つまり、シュート、ドライブ、カッティングが、ディフェンスには脅威。対して、ディフェンスにとって最も心安らぐプレーが「パス」である。意図がないパス。これはディフェンス全員にとって怖くない。

前回話したように、パッシングオフェンスは得点のための手段である。バスケットは美しくボールをまわしたところで得点にはならない。しかし、パッシングオフェンスを失敗したチームを見てみると、どうもみんながこのことを忘れてしまうのだ。「自分たちがいかに美しく動きまわるか」で頭がいっぱいになってしまう。これがパッシングオフェンスを取り入れたチームが陥りやすい最初の失敗である。これには十分注意したい。本末転倒になってはならない。

3)3つのカッティングは、ディフェンス位置で判断し、的確に急所をつくべし。

いつどこでかの記憶かは曖昧だが、石崎巧がオフェンスについてインタビューにこう答えている。

「オフェンスの動き方なんて考えなくていいんです。ディフェンスがどう動けばいいか教えてくれるから。」

これは、マコトにマコトに普遍的な真理である。オフェンスは原則として「ディフェンスありき」。パッシングオフェンスの原則は「まず動きありき」だとは前回記したが、その「動き」はディフェンスの位置によって決めればよい。ディフェンスがノーマルなポジションをとっているなら、必ずフロントカット。インラインをよりボールサイドよりに守っているのなら、バックカット(ディフェンスの裏)。アクセントを加えたいのなら3人目のシャッフルカット。この3つがパッシングオフェンスの動き作りの基本なので要チェックしてほしい。

バスケットは、オフェンスが前向きでディフェンスが後ろ向きでプレーする以上、オフェンスが絶対に有利である。基本的にディフェンスは、表か裏かどちらかしか守れないわけで、そこを的確に判断し、常にポジションを優位な位置にとれば、それがよいオフェンスにつながる。

4)相手ディフェンスに余裕があるか?あったらオフェンスの負けは必至。

こいつ、味方しか見てないと思ったら、おれの動きをよく見てやがる・・・!いいタイミングカッティングするから、こっちが味方にカバーにいく余裕が全くないぜ。

と相手ディフェンスに思わせられるか、

こいつ、さっきから動きのパターンがいっしょ。どうもチームの動きが決まってるんだな。よし、ならいっちょ先まわりしてターンオーバーでも狙ってやるか・・・。それ、いまだ!!ヨッシャー!

と思わせるかは、かなり大きな違いである。

うまいオフェンスの動きは、相手の余裕を奪い、「チームとしてのディフェンス」をさせない。オフェンスとしては、局部的にでよいので、カバーできない動きを心がけること。それがパッシングオフェンスには大切だ。それがやがて「ディフェンスを動かす」意識につながっていく。

5)原則を理解している → 臨機応変に動くことができる。

自分たちのチームで簡単なベースの動きがあったとしても、常に頭の中では臨機応変に動けるよう準備しておこう。それが相手ディフェンスからみると脅威につながる。というか、そうでないとただのナンバープレーに成り下がってしまうのがパッシングオフェンスの弱みだ。明成や洛南では、基本原則の理解とその体現を徹底することに、一番多くの時間がかけられているそうだ。パッシングオフェンスの最大の強みは、「臨機応変なプレーの連続生産」である。同じような動きを繰り返したところで、いずれそれは通用しなくなってしまう。

今回のまとめとして、これまでの原則を再度確認しよう。

  1. パッシングオフェンスはあくまでも手段。

  2. パッシングオフェンスがつくりだすのは、ディフェンスの遅れ。それが大きいものを「ノーマーク」という。ノーマークまでいかなくても、一瞬の遅れを作り出し、それを見逃さずアタックする。

  3. 「まず動きありき」。全力のカッティングからすべてが始まる。

  4. オフェンスの動きは「ディフェンスありき」。自己満足なオフェンスでは、ディフェンスの遅れは生み出せない。

  5. カッティングであいたスペースを、全速力で埋めに来るときに「展開」が生まれる。点から点へ全力で走る。

  6. 相手に余裕を持たせるな。相手に自分以外を守らせるな。

  7. 常に原則を忘れない。臨機応変なプレーは、原則からのみ生まれる。

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