パッシングの原則 その4

1)パッシングのはじまりと終わり

パッシングの始まりは「動きありき」。カッティングの動きからプレーは始まる。では、パッシングの終わりはどこか?多くの人は「シュート」と答えるかもしれない。確かにそれで正解なのだが、よりよい答えとして「リバウンド」があげられるだろう。どういうことか?
パッシングは人とボールが動きまわり、ディフェンスをかく乱させるのが狙いなので、オフェンスがシュートを打つタイミングでは、もはやディフェンスはバタバタの状態になっている(はず)。そのシュートに対してオフェンスは動きをとめないで、あたかも「その後もプレーが続いているように」動き続けると、流れよくリバウンドポジション(相手より前)に入ることができる。
パッシングの強みのひとつとして「オフェンスリバウンドのポジションがとりやすい」ということは、意外と忘れやすいので注意してほしい。

2)パッシング習得は基本的技術の習得

先週の練習で、パス展開のマイナスエックスからプラスエックスについて説明した。それというのは簡単に言えば、ただの「ボールミート」である。小さいころから「ボールミートは大切」という指導を受けてきたと思うが、昨今のドリブル技術の向上により、それを忘れているプレーヤーが多い。ボールミートからの正確なフリーフットの使い方(ピポッド)がパッシングでは必要不可欠だ。
またパッシングのメインプレーとなるパスは、バスケットボールの基本中の基本であり、ドリブルができなくてもパスができればバスケットはプレーできるが、パスができないとバスケットはプレーできない。パスの種類は、ショルダーパス、チェストパス、ワンハンドパス、バウンズパスといったくらいでシュートと比べ、数は多くない。それゆえに使い方を軽視されがちだが、ターンオーバーのほぼ6割はパスミスである。正しいパス技術が勝敗をわけると言ってよい。

3)勝敗の分かれ目はリバウンドとパス(ミス)

ロデオの対外試合、武生東の対外試合をデータ分析しはじめて、2・3カ月になる。まだまだその質は低いが、結果から確実に1点、読み取られたポイントがある。誰がどうみたってそうにしか見えない内容だった。
それは「リバウンドとターンオーバーが勝敗をわけている」こと。これらはシュートの本数に直結し、シュートの本数は、それがそのままに得点として反映される。前回のグリフィンズ戦では、シュート確率がロデオのほうが高いにもかかわらず、本数で1.5倍の数字となったせいで苦杯を飲んだ。前述したが、分析結果からターンオーバーの6割(ひどいときは8割)はパスミスだ。その内容については次回以降解説するが、パスの原則を忘れてしまっているのが一番の原因だ。
パスは「相手がここでほしいのが確認できた(間違いない)から、自分はそこに最も取りやすいパスの種類とスピードをもってボールを投げる」動作であって、「味方がこう動くだろうから、とりあえず投げとくか、ポーイ」ではミスになる。アホ見たいな話だが、そういった自分勝手なご都合パスがパスミスの9割と言っていいだろう。

そのような細かい点を見直すために、パッシングはとてもいい材料になる。だからこそ難しいオフェンスだが、得るものはその分大きいだろう。


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