前回は、スクリーンの大まかなお話をしました。もう一度まとめてみますと、
【スクリーンの種類】
ステーショナルスクリーン、ピックスクリーン、ダウンスクリーン、フレアスクリーン
【スクリーンを成功させるポイント】
- ユーザーがきれる方向は、スクリーナーの背中方向になるので、スクリーナーはスクリーンの角度が正しいか気を使ってセットすること
- ユーザーはスクリーンがしっかりセットされてから、スクリーナーの横をトップスピードで、ブラッシングすること
- スクリーナーはアフタースクリーンの動きをはっきりとして、ユーザーにボールがどこでほしいか要求すること
また、どこのチームでも同じ原因でスクリーンがうまくいきません。
【スクリーンがうまくいかない原因】
- ユーザーがスクリーンがセットされていないうちに動き出されてしまう
- スクリーンの角度が悪い
- ブラッシングを怠る
- トップスピードできれることを怠る
- アフタースクリーンを怠る
- 相手のディフェンスを見ずに自分がしたいプレーをしてしまう
- 無理に狭いスペースを攻めようとしてミスになる
いかがでしょう。このようなミスをした経験があると思います。
スクリーンはズレをつくることが目的
ですから、そのために
どの方向に自分が動けばディフェンスがついてこれないのか
をよく見て、素早く判断することがとても大切です。
スクリーンプレーをすると、特にピック&ロールでは、相方のことを見すぎる傾向があります。無理に狭いスペースを攻めようとして、パスミスにつながるケースが多く見受けられます。パッシングオフェンスにはノードリブルピックスクリーンというのがあります(次回詳しく説明)。それはピック&ロールをしている2人以外の人間がパスを繋いで、プレーをするものです。スパーズが得意にプレーしています。
ピック&ロールはディフェンスの注意を引きつけるもので、そこで攻めているうちにヘルプがよって、それ以外の3人がノーマークになることもよくあるのです。ですから、あくまでも
そのときの自分以外の9人の動きをよく観察して、その瞬間的なポジショニングから、自分のプレーを選択しましょう。
オフェンスの動きはディフェンスがつくるもの。その原則はこういうところから生まれています。
では、まず最も簡単で基本的なステーショナルスクリーンについてです。ここでは、最も有名なUCLAカット、からのピックスクリーンへの流れの説明です。
UCLAカットは誰でも知っているスクリーンプレーですが、意外にも、これは簡単なプレーではないのです。
まずウィングのもらう位置。高すぎる位置でパスを受けると角度が悪くなってします。次に、スクリーナーの位置。低い位置ではユーザーが走り込むゴール下のスペースがなくなってしまいます。このふたつが思った以上にうまくできない。その原因として、ウィングのレシーバーはとりあえずパスを受ければいい、スクリーナーはとりあえずポジションにつけばいい、そんな大雑把でこだわりのないポジショニングがあげられます。
自分の位置が一歩上が下か、右か左かで、戦況は全く違うものになる。
プレーヤーはそれを忘れてはいけませんね。次に、ここからの代表的な展開です。トップのユーザーにパスが入らなかった場合は、ウィングマンへのピック&ロールに展開してもよいでしょう。
単純なプレーです。でもこれも簡単ではない。「よくうまくいきません」。うまくいかない原因として一番多いのは、ウィングがスクリーンのセットを待ちきれない、駆け引きできないことです。
バスケットは常にオフェンスが有利であって、ディフェンスが焦りを感じる必要なんかゼーンゼンない!!
のです。が、なんにもしていないことに不安を感じてしまうものですよね。だから、スクリーンがセットしない間に動き出してしまうとか、セットした瞬間に駆け引きなしでドリブルついちゃうとか、バタバタしてしまうことがよくあります。実は、
オフェンスは動かなければ動かないほど、ディフェンスは予測できず守りにくいし、静から動への瞬間的な動きに対応できない
ものです。バスケットマンとしては、その感覚をひとつ掴むとぐ〜んとプレーレベルがあがるように思います。
次回は、ダウンスクリーン、フレアースクリーンなどの代表的なプレーについて説明します。